師走になると、おせちの食材がちらほらと出回ってきますね。
定番のオレンジ色のニンジンの横に、あざやかな赤色をした金時ニンジンが並びます。
その発色の良さは、和洋折衷のお料理に彩を添えます。
金時ニンジンは、日本古来の長ニンジンで、おせち用に活躍します。
流通量の多いニンジンですが、室町時代に中国から伝えられた東洋系の長根ニンジンと、江戸時代に伝えられた西洋系の短根ニンジンとがあります。
金時ニンジンは、ニンジン特有の臭みがなく、甘みが強いのですが、栽培しにくいのであまり出回っていません。
金時ニンジンとは、京ニンジンのことなのです。
一年に一回認識されるかどうかという存在の金時ニンジンの魅力に迫ります!
目次
金時ニンジンが赤いのはなぜ?
オレンジ色のいつものニンジンがカロテンを多く含むのに対し、鮮やかな赤をまとう金時ニンジンは、リコピンを多く含むのです。
リコピンは、老化の原因となる活性酸素を減少させる働きがあるそうです。
免疫力を高め、生活習慣病の予防に役立つ要素があるとともに、一般的なニンジンより食物繊維やカロテンが豊富に含まれています。
旬の時期だけに積極的に食べれば、若さをより一層保ってくれることでしょう。
金時ニンジンの旬はいつ?
西洋系の一般的なオレンジ色のニンジンは、秋から冬にかけて旬となります。
甘み・栄養価から最も高い時期をいいます。
対して金時ニンジンの旬は、11月~3月(晩秋~冬にかけて)春先までといったところでしょうか。
主に香川県、岡山県で収穫されるものが出回っているようです。
お正月に使うということを考えると、理にかなった旬の時期なのですね。
ニンジン臭いって知ってる?
昭和以前に生まれた方は、ニンジン独特に臭さを知っているかと思います。
ニンジン独特のにおいが苦手で、子どもを含め、多くの人がニンジン嫌いになっているように思います。
でも、あのニンジン固有の臭さを感じること、ありませんか?
無農薬野菜や、泥のついた採れたてのニンジンです。
品種改良されたので、あの臭みがなくなってきてはいますが、他の栄養素も減少傾向だそうです。
金時ニンジンにおいては、独特の臭みがないか、ほとんどないという程度です。
彩もよいし、臭みがないということで、お子さまのニンジン嫌い解消に一役かってくれそうなニンジンですね。
金時ニンジンのえらび方
ハリがあり、太目で赤い色が色濃く、鮮やかでつややかなものを選ぶと間違いないそうです。
また表面がなめらかで、デコボコがないものが良いとされています。
茶色がかっているものは古いもので、緑色に変色したものは直射日光にあたったため、堅い
金時ニンジンの保存について
他の根野菜と同じく、新聞紙にくるんで冷暗所もしくは冷蔵庫がベストです。
泥付きの場合は、洗わずに、泥をつけたまま新聞紙にくるんでほぞんするほうが、日持ちします。
金時ニンジンの栄養
先に説明したように、金時ニンジンの赤は、トマトと同じリコピンなのです。
リコピンは、皮に多く含まれるため、皮つきのまま調理するか、薄く皮をむくほうがよいといわれています。
金時ニンジンのおすすめの食べ方
なんといっても、煮物が一番!
普通のニンジンより煮物に向いているのは、やわらかさもありますが、煮ることでさらに甘くなる性質があるようです。
おなますにも最適です。
我が家では、大みそかにおなますをいっぱい作ります。
一般的なニンジンを使う際は、大根もニンジンも生で三杯酢であえますが、京にんじん(金時ニンジン)のときには、軽く(硬めに)茹でてから使用します。
またはよく塩もみします。
煮物で残った金時ニンジンをおなますに加えることが多いです。
残しても捨てることになってしまい、もったいないため、早めに使い切ります。
グラッセも甘くておいしいですね。
お砂糖で煮て、最後にバター(無塩でも有塩でもどちらでも可)を加えるとさらにおいしさがひきだせます。
玉ねぎ、バター、固形スープの素で煮る、金時ニンジンスープもおすすめです!
色鮮やかな金時ニンジンの良さを最大限にひきだすような、レシピです。
金時ニンジン1本、
玉ねぎ1/2、
牛乳200~300cc、
バター10~20g、
水100cc(量をみて調整)、
固形スープの素1個、
ニンニク1片、
塩・コショー
生クリーム(あれば)100cc
ニンジンは、乱切りにし、軽く茹でる。
玉ねぎも適当な大きさに乱切りする。
ニンジン、玉ねぎ、にんにく、バターを一緒にフードプロセッサーに入れる。
鍋に水、3の材料、固形スープを入れて煮立たせる
牛乳、塩コショーをする。
※あればハンドミキサーでまぜると口どおりがよくなります。
生クリームを加えます(加えるとよりおいしくなります)
バジリコ、青のりなどをトッピングすると彩が添えられます。
スープが余ったら、ご飯を加えるとリゾットとしても楽しめますよ。
まとめ
金時ニンジン(京にんじん)は、1年を通して出回るのではなく、年末などにスポット的に出回る(関東などは特に)
金時ニンジンは、煮物にむいていて、臭みもなくくせもない。
栄養価も高く、一般的なニンジンに比べると、リコピンが多く含まれ、カロテン・食物繊維も豊富である。
アンチエイジングにもぜひおすすめしたい食材である。